3次元(3D)映像とは何か?
ここ数年、なにかと話題の3次元(3D)映像。「アバター」や「トイストーリー」など、話題となった3次元(3D)映画を映画館で見た!って人も多いのでは?3次元(3D)映像がそもそも何かって言いますと、簡単にいうと『立体的に見える映像』です。・・・簡単すぎ?(笑)でも、もちろん3次元(3D)の技術自体はとーーっても複雑なものです。だからこそ、ここ数年で普及してきたんですね。特に2010年頃から3次元(3D)の映像技術は急速な進歩を遂げてまして3次元(3D)映画をはじめ、家庭での3次元(3D)対応テレビ、3次元(3D)対応パソコン、さらには3次元(3D)ゲーム機と、現在、私達は、3次元(3D)映像がとっても身近なものになっていますよね!
3次元(3D)映像の仕組み
テレビでも話題になっている3次元(3D)映像。有名監督による3次元(3D)映画や国内主要メーカの3次元(3D)テレビ発売、3次元(3D)放送の開始など、ちょっと考えただけで、3次元(3D)映画や3次元(3D)ディスプレイが話題になっていますよね。もともと、3Dとは三次元のことですが、最近では立体の映像や画像のこと=3次元(3D)映像という捉え方です。立体映像、3D立体視とも呼ばれます。ちなみに3次元(3D)による動画のことを3次元動画、3D動画、立体動画と呼びます。3次元(3D)の特徴としては、やっぱりものが飛び出して見えたり、奥行きが感じられたりする映像ですよね。さて、3次元(3D)映像の仕組みは一体どうなっているんでしょうか??
3次元(3D)映像の仕組み
ものが飛び出して見えたり、奥行きが感じられたりする3次元(3D)映像ですが、そもそも3次元(3D)映像はどのように作られているのでしょうか?それは人間の「眼」のメカニズムを利用したものなんです。人間の眼は左右に離れているため、右眼と左眼では物の見え方がちょっと違うんです。この両眼の見え方の違いを「視差」と呼ぶんですが、この視差を利用して、平面の映像を立体的に見せているのが3次元(3D)映像です。視差を脳が知覚して空間の奥行きを認識するようになっているのです。具体的にいうと、一つの映像を別々の角度から同時に二つ撮影し、画像を合成すると、両目ならずれて見えるんですが、3次元(3D)対応の専用サングラス眼鏡で見ると、右と左の映像を別々にとらえ、脳で合成して立体感を感じることができるというわけです。
二眼式立体映像の仕組み
上記で3次元(3D)映像の仕組みについてちょっと触れましたが、最近の3次元(3D)のほとんどは「二眼式立体映像技術」を利用したものでして、立体表示の基本的な仕組みはすべてこの仕組みになっているんです。
二眼式立体映像の構成
二眼式立体映像は次の3つから構成されています。また、3次元(3D)映像は、偏光メガネや液晶シャッターメガネを用います。両眼の視差を利用し、映像や画像の平面において、 画面より前に飛び出したり、奥行きを感じたりし、立体的に画面を見る方法を取っています。
- (1)左右眼に対応する対象を右眼、左眼位置から見たときの2つの映像
- (2)用意した左右映像を同時に表示する装置
- (3)何らかの仕掛けで右眼映像は右眼だけ、左眼映像は左眼だけと、左右映像を映す仕掛け
3次元(3D)映像と立体視
3D映像には同側の視差を利用した方法で、スクリーンに対して引っ込んだ立体映像と、交差性の視差を利用した飛び出した立体映像があります。また、ゲームなどが楽しめるスマートフォンや携帯電話などの小さな画面の電子デバイスからは、3次元(3D)専用メガネなしでも見ることができる、裸眼対応の3次元(3D)映像も出てきました。3次元(3D)映像映像が撮影できるビデオカメラや、デジタルカメラも珍しくありません。多くの映像が3次元(3D)映像化する方向に進んでいるといえますね。
映画館の3次元(3D)映画と家庭の3次元(3D)テレビの原理
実は、3次元(3D)映像の原理は、映画館の3次元(3D)映画でも、家庭の3次元(3D)映像テレビでも基本的には同じなんです。ちょっと意外な気もしませんか?どちらもひとつの映像を右眼用と左眼用として同時に2つ撮影し、3次元(3D)映像メガネと画面(スクリーン)の両方で右眼には右眼用、左眼には左眼用の映像が入るように制御するものです。両眼ではズレて見えますが、サングラス状の特殊なメガネで見ると、左右の映像を別々に捉え、脳で合成して立体感を感じることができます。メガネと画面の両方で人工的な「視差」を作り出すことで、平面に映った映像であるにもかかわらず、奥行きや立体感といった情報を認識させるものなのです。
3次元(3D)映像の表示装置
3次元(3D)映像の表示には大きく分けて2つあります。それぞれご紹介しますね。
(1)裸眼3次元(3D)ディスプレイ
現在、裸眼3次元(3D)ディスプレイには、種々な種類がありますが、裸眼3次元(3D)ディスプレイですと、頭の動きに応じた見え方の変化(運動視差)で時間の遅れが無いのが嬉しいポイント。右目と左目に別々の映像を見せることによって、「両眼視差」を生み出し立体に見せます。
「両眼視差とは?」
「両眼視差」とは、右目と左目に写った像の違いを脳内で処理して奥行きを知覚することです。左右の眼に別々の画像を見せるために『眼鏡を利用するもの』と、『眼鏡を使わず、裸眼のままで立体感を与えるもの』の2つがあります。デメリットとして、ディスプレイとしての大きさに加え、そこにディスプレイデバイスが存在している必要があります。
裸眼3次元(3D)ディスプレイの種類
裸眼3次元(3D)ディスプレイの主要な方式としてはレンチキュラー方式とパララックスバリア方式があります。
- パララックスバリア方式
- 観察者の左右両眼に異なる画素が見えるように、表示画素の手前に左右2画素ごとに1つの穴、又は溝パララックスバリア方式では立てることで両眼視差を作り出します。見る側は裸眼3次元(3D)眼鏡を使わなくても見ることができるというメリットがありますが、それぞれの画素が1つの穴(又は溝)を通じて左右2画素を正しく両眼で見える正しい場所に座る(立つ)必要があります。また、画素の書き換え速度は通常の2D表示と同じで速度ではあるものの、左右の画面解像度は半分になり、見た目の鮮やかさや明るさ等も半分以下になるといったデメリットがあります。
- レンチキュラー方式
- 見た目の明るさが半分以下になるのを改善するために、単純な遮蔽板と穴(又は溝)のパララックスバリア方式ではなく、レンチキュラーレンズを用いることで左右の画素の光を最大限に出すようにしたものです。
(2)ヘッドマウントディスプレイ (HMD)
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とは、頭部装着型映像表示装置で、頭部に装着する裸眼3次元(3D)ディスプレイです。他のディスプレイと違い、ヘッドマウントディスプレイは特殊なディスプレイといえるかもしれません。
- 頭部に装着する為、常に視界内に存在するという高い追従性を持っています。
- 小型ではあるものの、眼球との距離が非常に近い為、仮想的な大型ディスプレイとしても利用出来ます。
- 眼球の至近距離に映像を写し出す事で姿勢や動作、空間の制限を受けることなく常時映像データを受け取る事が出来ます。
- 非常に小型の為、携帯、省電力に優れています。
- ディスプレイとしての大きさが必要なく、原理的には視野を覆うような広角のものも製作できます。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のデメリット
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、比較的新しいディスプレイゆえの課題と、これからの可能性が残っています。下記のようなデメリットもあるので、覚えておいてくださいね。
- 小型とはいえ、頭部に装着する為、違和感や重さの問題があります。
- 小型の為、解像度が低い傾向にあります。
- 眼球との距離が近い為に健康への影響が危惧されています。
- 頭の動きに合わせて両眼の映像を表示するため、頭の動きと実際の表示との時間に差があります。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の種類
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、大きく分けて『透過型』と『非透過型』の2つがあるんです。
- 透過型
- 映像だけでなく外部の情報も受け取る事が出来る物を透過型といいます。マンガやアニメで言うところのドラゴンボールの『スカウター』電脳コイルの『電脳メガネ』など、現実世界に情報を付加させる拡張現実(AR)方面への発展が期待されます。単眼のみに映像を映す物、ハーフミラー等に虚像を投影する物、HMDに装着したビデオカメラの映像が映し出せる物があります。
- 非透過型
- 外部の映像を遮断し、HMD特有の映像への没入感をさらに追求した物を非透過型といいます。攻殻機動隊やその他SF作品にある電脳空間や仮想現実(VR:バーチャルリアリティ)にダイブする方面への発展が楽しみですね。
3次元(3D)映像のまとめ
いかがでしたか?少しは3次元(3D)映像について、自信を持って説明できるようになったのでは??そうそう、まとめにちょっと注意点を。あくまでも3次元(3D)の映像の見えかたには個人差があります。たとえば左右の目の視力差が大きい方の場合など、人によっては立体に見えにくい、あるいは全く立体に見えないという場合もありますので、その点はご了承の上、3次元(3D)映像を楽しみましょうね(^Д^)